鹿児島市南郡元町にある在宅療養支援診療所・訪問診療 内科・神経内科・緩和ケア | 南郡元在宅医療クリニック

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緩和ケアとは

hospiceがん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。「緩和ケア」は、がんと診断されたとき、もしくは治療中から行う、身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアです。

在宅医療では、診療所や訪問看護ステーションが緩和ケアの担い手になります。診療所は定期診療、往診によって基本的・専門的緩和ケアを提供します。現在、夜間の往診や看取りにも対応する在宅療養支援診療所が制度化され、24時間訪問看護ステーションなどとの連携も含めて、往診に対応できる診療所が増加しています(当院も該当します)。

がん患者さんの在宅療養においては看護や介護が重要な役割をもつため、訪問看護ステーションや訪問介護事業所、居宅介護支援事業所などと協力し、チームとして緩和ケアを提供することが多いです。一部の診療所では、緩和ケアに関する専門的な知識や技術をもつ医師や看護師が24時間の訪問診療に対応しており、そのような施設によって提供されるケアは、在宅緩和ケアと呼ばれることがあります。

在宅緩和ケアのメリットとしては、患者さんが住み慣れた場所で生活でき、面会などの制限もないため家族や友人と充実した時間を過ごせるという点です。日本人の多くが出来る限り自宅で療養することを望んでいます。在宅緩和ケアの専門家の診察を受ければ痛みなどの身体症状などがあっても病院に入院しているのと同様に緩和することができます。

在宅緩和ケアのデメリットは家族の介護負担です。ただ、家族の一時的な病気や旅行、仕事など介護の負担が大きい時には一時的に入院する(レスパイト入院)などの制度も利用できますし、介護保険をはじめとした介護負担を軽減するための公的なサービスの利用もできますので、専門家と相談しながら負担を最小限にすることができます。

当クリニックの緩和ケアの特徴

当院は2024年7月より「在宅緩和ケア充実診療所」に認定されています。施設基準の詳細は下記の通りです。

施設基準

  1. 機能強化型の在支診・病の届出を行っていること。
  2. 過去1年間の緊急往診の実績が15件以上、かつ、看取りの実績が20件以上であること。
  3. 緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が10件以上の医療機関において、3か月以上の勤務歴がある常勤の医師がいること。
  4. 末期の悪性腫瘍等の患者であって、鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しないものに対し、患者が自ら注射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法を実施した実績を、過去1年間に2件以上有していること、又は過去に5件以上実施した経験のある常勤の医師配置されており、適切な方法によってオピオイド系鎮痛薬を投与した実績を過去1年間に10件以上有していること。
  5. 「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した研修」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること。
  6. 院内等において、過去1年間の看取り実績及び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供がなされていること。

当院が開業し一年が経ちますが、これまでに“末期がん”と診断をされた方で、ご自宅で60件のお看取りを実施しております(2025年1月時点)。ご本人、ご家族希望で最期を医療機関で迎えた方を含めると90件です。